仮想通貨ステラとは?
日本ではあまり話題にのぼることの
少ない仮想通貨ステラ。
現在ステラは日本の取引所へは
上場していないため、
これは仕方のないことかもしれません。
しかし時価総額ランキングではすでに
6位と、世界では高評価を得ています。
今後日本でも上場する可能性は高い
ですから、
今のうちに勉強しておきましょう。
今回は仮想通貨ステラについて
書いてみたいと思います。
仮想通貨ステラとは~リップルベースの仮想通貨~
ステラは2014年7月に公開された
比較的新しい仮想通貨です。
開発したのはリップル生みの親である
ジェド・マケーレブ氏を含む
リップル開発陣と言われています。
そのため、
基本的な仕組みはリップルと同じで
リップルとは兄弟のような関係にある
と言えます。
ちなみに
ジェド・マケーレブ氏と言えば、
あの歴史的事件を起こした
マウントゴックスの以前のオーナーです。
事件が起こったのはマウントゴックスを
マルク・カルプレス氏に売り渡した後
なので、直接は関係ありません。
ステラの開発目的は
「個人間での迅速な送金・決済」
です。
リップルベースの仮想通貨だけあって、
その性能も折り紙つきと言えます。
たとえば、
送金にかかる時間は3~5秒、
送金手数料は0.00001XLMと激安
です。
仮想通貨ステラの特徴
ステラはリップルより後発の
仮想通貨ですので、
リップルにはない特徴も持っています。
●総発行量が毎年1%ずつ増加
ステラの総発行量は1000億XLMですが、
その発行がすべて終わったあと、
毎年1%ずつ発行量が増える仕組みに
なっています。
リップルが1000億XRPから少しずつ
減っていくのに対して大きな違いと
言えるでしょう。
このことにより、
ボラティリティの高さを抑え、
より日常での使いやすさを
追求していると言えます。
●独自の承認アルゴリズムSCP
ステラはリップルの欠点を補う目的で、
承認アルゴリズムとして独自の
SCP(ステラコンセンサスプロトコル)
を実装しています。
リップルと同じく
バリデーターが承認を行いますが、
最大の違いはリップルが80%以上の
バリデーターの合意が必要なのに対し、
ステラの場合は80%以下の合意でも
承認されるという点です。
●運営元は非営利団体
現在
ステラを開発・運営しているのは
「Stellar Development Foundation」
という非営利団体です。
リップルの開発元がripple社という
営利企業であることとは対照的です。
非営利団体のため、利益追求を目的
とした活動は禁止されています。
●プラットフォーム通貨
ステラはリップルと違い、
プラットフォーム通貨としての
顔を持っています。
ステラのプロトコル上で別の
仮想通貨を発行することが可能です。
カンタンに言うとイーサリアムの
ような機能を持っているということです。
ステラのロードマップ上でも、
ステラを基軸通貨とした分散型取引所
(SDEX)の開設が予定されています。
●チャイナパワーを排除
ステラを利用するには、
Facebookの認証が必要です。
ご存知の通り、
中国ではFacebookが使えないため、
中国人はステラを使えません。
この目的は
仮想通貨における一大勢力である
チャイナパワーを排除することにより、
価格の高騰を抑えることにあると
言われています。
ただ、
Facebookと提携していると
いうわけではなく、
ステラ側が一方的に
Facebook認証を利用している
状況です。
●ビットコイン保持者に配布される
ステラは流通量を増やす目的で、
ビットコイン保持者にステラを配布
しています。
ただ、不定期に行われるので、
ステラ獲得を目的にビットコインを
所持するのは難しいと言えるでしょう。
●シャリーア適合認証を取得
ステラはシャリーア適合認証を
取得しています。
これは投機的取引を禁止している
イスラム金融でステラやその製品を
使えるという意味です。
中東や東南アジアなどの
イスラム諸国では、
ビットコインなどの仮想通貨を
決済手段として認めるか否かは
大きな論争になっています。
ステラが
シャリーア適合認証を取得したことで、
出稼ぎ労働者が多いイスラム地域での
ステラネットワークの普及が期待されます。
IBM参入でリップル(XRP)と一騎打ち
先述したように
ステラの当初の開発目的は
「個人間の迅速な送金・決済」
です。
そのために送金手数料を安く抑え、
価格変動による使いにくさを緩和する
ために供給量もコントロールしています。
兄弟分であるリップルとは
すみ分けができていたと言えます。
しかし、昨年IBMと提携し、
IBMが今年8月に
独自の送金決済システム
「IBMブロックチェーン・ワールド・ワイヤー」
と言う製品を発表したことから
様相が変わってきました。
IBMが発表した製品は、
リップルが開拓しようとしている
国際送金事業でリップルと真っ向から
勝負しようという製品です。
この製品の特長は、
ステーブルコインを
ブリッジ通貨として
利用できる点です。
ステーブルコインとは
法定通貨や他の資産で
価値が裏付けされた仮想通貨で、
価格変動がほとんどないのが特徴です。
米ドルにペッグされた
Tether(USDT)や
TrueUSD(TUSD)などが
有名ですね。
IBMの製品では将来
各国の中央銀行が発行するであろう
ステーブルコインも利用できると
されています。
IBMは
たびたび価格操作や
裏付け資産疑惑などに揺れる
Tether(USDT)の代わりに
「Stronghold USD」という
ステーブルコインの開発にも
携わっています。
IBMのアドバンテージは
世界の金融機関のうち、約97%が
IBMの顧客であるというところです。
既存顧客に対して
有益な提案ができれば、
IBMの製品が国際送金事業でも
大きなシェアを取るかもしれません。
ステラの将来性
提携したIBMが発表した製品
について長々と書きましたが、
この製品でステラが通貨として
使われるかどうかは分かりません。
ですが、
ステラはステラ独自で
開発方針を定め、
着々と発展しています。
●企業との提携
ステラは企業との提携にも積極的です。
世界最大級の金融コンサルティング会社
「Deloitte(デロイト)」、
フランスの送金業者「TEMPO」、
ナイジェリアの通信事業者「Parkway」
などと提携しています。
ただ、
リップルがすでに大手企業との
提携を実現しているのに対して、
ステラはまだまだ後塵を
拝している感は否めません。
●開発ロードマップ
先述したように
ステラはプラットフォーム機能を
持った仮想通貨です。
そのため、
開発ロードマップ上にはステラを
基軸通貨とした分散型取引所(SDEX)
の開発を位置づけています。
また、
さらに処理性能を上げるべく、
ライトニングネットワークの実装も
予定されています。
●次々と有名取引所へ上場
今年5月には
Bitfinex(ビットフィネックス)取引所が
ステラ(XLM)と法定通貨のペアを追加
しましたし、
Coinbase(コインベース)も
上場を検討しています。
●ステラアカウントが100万を突破
今年8月にはステラアカウントが
100万の大台を超えました。
日本では
ほとんど話題にのぼることのない
ステラですが、世界では着々と
ユーザーを増やしています。
投資家にとってステラは買いか?
仮想通貨ステラについて
紹介してきましたが、
仮想通貨投資家にとって
ステラは買いでしょうか?
ボラティリティを極力低く抑えようと
しているステラは仮想通貨投資家に
とって面白味のある仮想通貨では
ないかもしれません。
しかし一方で仮想通貨の普及にとって
ボラティリティの高さは障害の一つ
であるとも言えます。
案外
ステラのような仮想通貨が普及を
けん引していくのかもかもしれません。
また、
ボラティリティの低さは価格の
安定性の裏返しであるとも言えます。
将来的には市場激動期の待避通貨
としての役割を持つかもしれません。
おもしろいのは
リップル(XRP)価格との連動です。
システム的なつながりは
全くありませんが、
リップル(XRP)が高騰すると、
ステラ(XLM)も高騰するようです。
リップル(XRP)との分散投資によって
倍の利益を出すという手法も
考えられます。
いずれにしても、
時価総額ランキング6位の
実力を持った仮想通貨ですから、
その動向を注視する必要は
あるでしょう。
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